バレル研磨、バフ研磨、ブラスト、メッキなど金属の表面処理を1個から承ります

バレル研磨

バレル研磨とは

バレル研磨とは、金属部品(ワーク)と研磨石(メディア)、研磨剤(コンパウンド)、水などを専用の機械に入れ、回転や振動を加えることで、部品同士やメディアとの摩擦を利用して表面を整える加工方法です。プレス加工・切削加工・レーザー加工などの後工程として広く使われており、金属加工の現場では身近な表面処理のひとつです。

新潟県燕市の株式会社エイティでは、このバレル研磨を専門に、金属部品の表面処理を行っています。

金属部品の表面処理を承ります

バレル研磨でできること

バレル研磨は「磨く」というイメージが強い加工ですが、実際には目的はひとつではなく、製品の状態や求める仕上がりによって加工内容も変わります。代表的な目的は次のとおりです。

バリ取り

加工後の金属部品には、目には見えにくい細かなバリが残ることがあります。バリは手を切る原因になったり、組立時の干渉になったり、メッキ不良や外観品質の低下につながったりします。

バレル研磨では、こうした細かなバリを均一に除去し、部品のエッジを整えます。エイティでも、バリ取りだけを目的としたご依頼が最も多く寄せられています。

面取り・R付け

プレス加工品やレーザー加工品などは角が鋭くなりやすく、そのままでは危険な場合があります。バレル研磨によって角を自然になじませ、手触りの良い仕上がりに整えることができます。

光沢仕上げ

表面の細かな凹凸を均し、落ち着いた光沢感や滑らかな質感をつくります。鏡面仕上げとは異なる、やわらかな均一感のある仕上がりになるのが特徴です。

表面の均一化

切削やプレス後に残る加工跡やムラを整え、均一な表面状態に近づけます。メッキ・塗装・電解研磨といった後工程の前処理として使われることも多くあります。

汚れ・酸化皮膜の除去、溶接焼け落とし

表面の汚れや酸化皮膜を落とす目的でも使用されます。工具や機械部品の溶接焼けを落としたいというご相談も受けています。

脱脂

研磨前・研磨後を問わず、脱脂の受付も可能です。脱脂の効果を求められるバリ取り加工のご依頼もあります。

バレル研磨の仕組み

バレル研磨では、部品だけを機械に入れるわけではありません。一般的には次のものを一緒に投入します。

バレル用のメディア

  • ワーク:実際に加工したい金属部品です。
  • メディア(研磨石):研磨の中心となる材料です。セラミックや樹脂など用途に応じてさまざまな種類があり、形状も三角形・円柱・球形などさまざまです。部品の形状や仕上げに合わせて使い分けます。
  • コンパウンド(研磨剤):研磨促進や洗浄、防錆などを目的として加えます。
  • :湿式バレルで使用します。摩擦熱の抑制、切粉の排出、洗浄などの役割があります。

バレル研磨の種類

バレル研磨にはいくつかの方式があります。

回転バレル

槽を回転させて研磨する方式です。比較的やさしい当たり方になるため、昔から広く使用されています。

回転バレル

振動バレル

槽を振動させることで研磨する方式です。現在もっとも一般的な方式のひとつで、バリ取り・面取り・表面調整など幅広く対応できます。

振動バレル

遠心バレル

高速で遠心力をかけて研磨する方式で、短時間で高い研磨力が得られます。エイティでは遠心バレルは行っておらず、回転バレルと振動バレルを使い分けて加工しています。

バレル研磨とバフ研磨・手磨きの違い

バフ研磨や手磨きは、作業者が製品を一つずつ手で磨く方法です。一方バレル研磨は、複数の製品をまとめて機械に投入して処理できるのが特長で、均一な仕上がりや量産性に優れています。

バフ研磨とバレル研磨の違い

ただし、バレル研磨だけで完全な鏡面仕上げにすることはできません。製品や材質によっては高い光沢を出すことは可能ですが、完全な鏡面仕上げを求める場合には、バフ研磨などの追加工程が必要になることがあります。求める外観のレベルによって、最適な方法は変わります。

バレル研磨による寸法への影響

バレル研磨は表面を削る加工のため、わずかな寸法変化が発生します。ただし通常はごく微量であり、多くの製品では問題になりません。寸法公差が厳しい部品については、事前に図面や要求仕様を確認したうえで、最適な加工条件を検討します。

対応している材質

エイティでは、次のような材質のバレル研磨に対応しています。

  • ステンレス(SUS304)
  • ステンレス(SUS430)
  • ステンレス(SUS410)
  • アルミ
  • 真鍮
  • チタン
  • 洋白

ステンレスは比較的研磨しやすい材質ですが、板厚や形状によっては打痕や重なりキズが発生することがあり、表面状態によっては期待する光沢が得られない場合もあります。

アルミや真鍮も対応可能ですが、ステンレスに比べて柔らかいため、条件によっては打痕や変形に注意が必要です。

なお、異なる材質を同時に研磨することは基本的に行っていません。材質ごとに研磨時間や回転数が異なるため、仕上がりに差が出たり、異種金属によるトラブルが発生したりする可能性があるためです。

よく扱っている製品

エイティでは、次のような製品のバレル研磨を多く手がけています。

  • ステンレススプーン
  • フォーク
  • キッチン鋏
  • ピーラーの刃
  • スライサーの刃
  • 鍋の取手
  • 包丁
  • トラック荷台の蝶番
  • 雨どいの金具
  • バイク部品
  • 自動車マフラー部品
  • 精密機械製作部品
  • 給油ノズル部品
  • しゃもじの重り

バレル研磨で仕上げた製品

このほか、機械部品や建築金物のご相談も多く寄せられます。

バレル研磨のメリット

  • 一度に大量処理できる
    複数の部品をまとめて加工できるため、量産に向いています。
  • 均一な仕上がりになりやすい
    手作業に比べ、品質のばらつきを抑えやすいのが特徴です。
  • 複雑形状にも対応しやすい
    人の手が入りにくい細かな部分にも作用しやすい場合があります。
  • コスト効率が良い
    大量加工時に高い効率を発揮します。

バレル研磨のメリット

バレル研磨で注意が必要なこと

一方で、バレル研磨には注意点もあります。製品同士の打痕、エッジの丸まりすぎ、小さなキズ、絡み、変形などです。

部品の材質や形状によって仕上がりは大きく変わるため、ワーク形状・材質・ロット数・求める仕上げ・後工程を確認しながら条件を決めていくことが重要です。

表面のキズについては、浅いキズであれば目立たなくできる場合がありますが、深いキズや打痕を完全に除去できるとは限りません。

バレル研磨で仕上げた品物

薄物・平物の加工について

薄物製品(材料の板厚が薄いもの)は、変形しやすいため注意が必要です。エイティでは、板厚0.3mm程度の薄物は要検討としており、板厚0.5mm程度の小物であれば加工実績があります。

平板製品は、製品同士が重なったまま研磨されてしまうと、重なった部分が研磨されない事象が起きることがあります。

また、複雑な形状の部品では、メディアが入りにくい箇所や製品同士が絡みやすい箇所があるため、注意しながら加工条件を決めています。

穴の中や溝の奥については、穴径や溝の形状によって仕上がりが異なり、メディアが届かない箇所では十分な研磨ができない場合があります。

極端に変形しやすい製品や、製品同士が強く絡む形状、鏡面レベルの外観を求める商品は、対応が難しい場合があります。

光沢を出す仕上げについて

光沢を出したい場合、エイティではまず回転バレルでバリ取りや表面を整えたあと、スチールボールやセラミックメディアを使用して光沢を出す仕上げを行います。

製品の形状や求める仕上がりによっては、回転バレルで下地をつくったあと、振動バレルで光沢仕上げを行う場合もあります。

光沢を出す工程では前工程が重要で、あらかじめ表面を整えておくことで、より均一な光沢に仕上がります。

なお、同じ製品であっても、材料ロットや加工前の状態によって、光沢や面粗さに若干の違いが生じる場合があります。できる限り同じ仕上がりになるよう、加工時間やメディア、コンパウンドなどの条件を管理しています。

研磨時間の考え方

研磨にかかる時間は製品によって大きく異なります。

バレル研磨の仕上がりまでの時間について

比較的短時間で仕上がるもの

目安として1時間前後で仕上がる場合がある製品には、次のようなものがあります。

  • 安価なカトラリー
  • 包丁のスケール除去
  • おたま
  • 目玉焼きリング
  • 鍋の取手

長時間の研磨が必要になるもの

手触りまで求めるカトラリーや機械部品、自動車部品、ピーラー・スライサー・キッチン鋏の刃付け前の加工など、仕上がりへの要求が高いものは、7時間以上かかる場合があります。

ただし、これは「この製品なら必ずこの時間」という決まった数字ではありません。材質、形状、バリの状態、求める仕上がり、投入量などによって研磨時間は変わります。

数量・加工単価・仕上がりの関係

エイティの現場では、ロットが大きいほど1個あたりの単価は安くしやすい一方、一度に多く投入すると仕上がりのきれいさが落ちる場合がある、という感覚があります。

逆に、少量ずつ加工すると比較的きれいに仕上げやすくなりますが、その分加工回数が増えるため単価は高くなります。

「大量に加工すれば安い」という単純な話ではなく、加工単価と仕上がり品質のバランスとして、投入量を調整しながら加工条件を決めています。

バレル研磨の単価と仕上がり具合の関係

なぜ試作が重要か

同じ「バレル研磨」でも、部品の材質、製品の形、使用用途、求める品質によって加工条件は大きく変わります。

そのため、量産の前に試作を行い、実際の仕上がりを確認していただくことをおすすめしています。特に外観品質が重視される製品では、事前確認によって思っていた仕上がりとの認識違いを防ぐことができます。

「光沢」「手触り」「バリ取り」など、求める程度はお客様によって異なります。試作を通じてすり合わせることが、経験と試作の積み重ねが重要な加工であるバレル研磨では特に大切だと考えています。

エイティで実際に起きたトラブルと改善事例

バレル研磨は、条件設定によって仕上がりが大きく変わる加工です。エイティでは、実際に起きた現象を確認し、原因を突き止めて条件を見直し、次の加工へ反映するようにしています。

ここでは、実際にあった事例をご紹介します。

水不足による赤変色(振動バレル)

夏場、振動バレルで水が不足し、ステンレス製品が赤く変色したことがありました。回転バレルに切り替え、バリ取り用のメディアを使用して最初から研磨をやり直し、修正しました。

水分不足による黒変色

ステンレス製品で、バレル研磨時の水分不足により黒く変色したことがありました。再研磨によって変色部分を除去し、表面を研磨し直して解決しました。

脱脂不足

脱脂効果も求められたバリ取り加工で、油が残ってしまったことがありました。もう一度回転バレルで研磨をやり直し、しっかりと脱脂された状態で納品しました。

平物の重なりによる研磨ムラ

平らな製品同士が重なったまま研磨され、重なった部分が研磨されていない事象が起きたことがありました。もう一度回転バレルで、重なっている製品がないか確認しながら再研磨しました。

製品の曲がり

強度のあまりない製品を研磨した際に、製品が曲がってしまったことがありました。曲がった製品は修正し、その後の加工では工程を見直して、曲がりにくい条件へ変更しました。

こうした事例からも分かるとおり、バレル研磨は機械に入れれば自動的にきれいになる加工ではなく、水分やコンパウンドの管理、投入量、メディアの選定など、条件設定が仕上がりを左右する加工です。

エイティでは、こうした現場の経験を一つひとつ次の加工条件に反映しています。

少量・1個・図面なしの相談について

バレル研磨は本来、大量処理に向いた加工方法です。ただ、エイティでは1個からのご相談にも対応しています。

手作業でバフ研磨を行う業者が減っていることもあり、1個だけ研磨してほしいといったご相談も増えています。

試作品の研磨にも対応しており、試作から量産まで一貫してお手伝いするケースも多くあります。

図面がなくても、現物や写真だけでご相談いただくことも可能です。加工前の状態が分かるよう、そのままの状態で送っていただくのがおすすめです。

現物を確認することで、バリやキズの状況、形状上の注意点などを把握しやすくなります。図面や要望書があれば、あわせてお送りください。

納期について

通常は、入荷して仕上がりの具合が確定してから3日程度を目安としています。ロットやサイズによって変動します。

材質による納期の違いはほとんどありません。試作品の場合は、到着後2日程度で仕上がる場合があります。

数量や製品形状、工程内容によって納期は変わるため、確定した納期については個別にご相談ください。お急ぎの案件についても、可能な範囲で対応しています。

バレル研磨の納期についてはお気軽にご相談ください

研磨前後の対応

  • 研磨前の脱脂
  • 研磨後の脱脂
  • 研磨後の袋入れ
  • 研磨後の数量カウント

バレル研磨だけでなく、研磨前後の作業についてもご相談いただけます。

バレル研磨は「ただ磨くだけ」ではありません

バレル研磨は、単に表面をきれいにするだけの加工ではありません。製品の品質や使いやすさ、そして後工程の仕上がりにも大きく関わる加工です。

同じ「バレル研磨」でも、部品の材質、製品の形、使用用途、求める品質によって加工条件は大きく変わります。

そのため、経験と試作の積み重ねが重要な加工でもあります。

株式会社エイティ

新潟県燕市でバレル研磨を行う株式会社エイティ

株式会社エイティは、新潟県燕市でバレル研磨を専門に行っています。

バリ取り、面取り、光沢仕上げ、表面の均一化など、幅広いご相談に対応しています。1個からのご相談、図面のないご相談も歓迎しています。

現物や写真からでも構いませんので、まずはご相談ください。

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